県企業局へ工事発注の改善等求める
 〜 会員から問題点を指摘する声相次ぐ
平成27年12月07日

下地会長(左)が要請文を稲嶺統括監へ手渡した
 平成24〜26年度に県企業局が発注し、協会の会員企業が受注した水道施設工事について、受注した企業の7割が「採算が合わなかった」と回答したほか、設計図書の不備や占用者との調整不足など問題点を指摘する声が相次いだことを受け、協会では下地米蔵会長らが12月7日に企業局を訪れ、管資材費の実勢価格との乖離を無くすことなど同局発注工事における問題点の改善を要請した。
 協会が会員企業への調査で受注した工事について採算性を尋ねたところ、「採算が合った」と回答したのが8件(29・6%)だったのに対し、「採算が合わなかった」と答えたのが19件(70・4%)という結果となった。採算が合わない主な原因(複数回答)として、「管資材費が県の資材単価と合わない」が最も多く、「着工の遅れや一時中断による工期延長に伴う間接費の増大」、「予定価格・積算条件が現場の実態に即していない」、「発注者が設計変更に応じなかった(変更希望額を認めない場合を含む)」、「赤字覚悟の入札」と続いた。採算が合わないと企業の経営などに悪影響を及ぼすことから、下地会長らは要請で、県の資材単価と実勢価格との乖離を無くすよう改善を求めた。
これに対して企業局の稲嶺信男企業技術統括監は「県では特別調査などを実施している。県の単価は市場の実勢価格を反映していると考えており、適切に設定されていると思う」との認識を示した。その上で「県の管資材の単価は公表しているので、実際の取引価格と県の価格で差がある場合は、情報提供してほしい」と呼び掛けた。
また会員企業から、「発注時の設計に現場条件が反映されていないなどの不備により、すぐに工事着手ができない場合がある」、「工事受注後、占用者と発注者の事前協議が行われていない又は、協議は行われているが未決定のままということがあり、決定までにかなりの日数を要する為、数カ月も着工できないという事態も発生している」、「受注後、業者が照査を行った結果、設計変更しないと施工できない場合があるが、設計変更に応じないケースがある」などの意見があり、これらについても改善を要望した。
稲嶺統括監は、以前に比べ設計変更の申し出が多いと感じているとの認識を示した上で、「発注前の設計精度を向上するよう取り組むとともに、設計を行うコンサルタント業者にも成果品の質の向上を求めていく。徐々に改善していくと考える」と設計精度向上に取り組む考えを示した。また設計変更については可能な限り対応しようと考えているとした。
このほか協会は、補助監督員について、一部の不適格な補助監督員の対応などにより業務執行に支障を来すケースがあることから、補助監督員の評価を行うことなどを要望した。
沖建協の下地会長は「何度も話し合いをして、徐々に改善していけるようお互いに取り組んでいこう」と問題解決に向けて呼び掛けた。
 企業局では、安定給水に向けて今後も、導・送水管の計画的な更新・耐震化が予定されており、円滑な事業推進のためにも問題の早期改善が図られることが期待される。


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