税財務講習会を開催

平成27年11月20日

講師の話に聞き入る受講者
 沖建協は11月20日、建労センターで税財務講習会を開いた。講習会は(一財)建設業振興基金との共催。沖建協では、経営者における事業承継が人手不足対策などと同様に重要な問題と認識し、事業承継に関する知識を高めてもらうため講習会を開催した。
講習会のテーマは「中小建設企業の事業承継〜事例紹介と税制制度 〜後継者の育成・確保は現経営者の最重要課題〜」で、建設業経営研究会の藤原一夫氏が講師を務めた。藤原氏は28万社余りの企業が回答した民間調査会社の後継者問題に関する実態調査結果を紹介。それによると、後継者不在の会社が65%超に上り、建設業においては70%と高い割合で、多くの会社で事業承継に困っている状況が窺えるとした。
 また建設会社の経営者の状況について、「建設会社の多くは、日本の経済成長とともに増えてきたので、現在、65〜70歳ぐらいの経営者が多い。事業承継する時期に来ているが、多くの方が赤字を黒字に転換させて引き継ぎたいと言うが、急に黒字にはできない。また子どもが30代から40代、場合によっては50代になっていることもある。仮に年齢の高い子どもに承継させた場合、本人に経営感覚が身についておらず失敗することが多い」と説明。その一方で、「事業承継する際には、相続税が掛かるので、税制上は赤字で承継した方が有利である。親からみると、子どもの経営手法が頼りなく見えるかもしれないが、若い感覚が現在の社会にマッチすることが多いので、任せることも必要。経営者は自分の感覚が時代に合っているのかを見極めて、タイミングよく承継することが重要」とアドバイスした。
 このほか講習会では、藤原氏が同族や同族以外への承継事例、事業承継税制、平成25年度に改正された事業承継に関する税制内容などを紹介した。


  このページの先頭にもどる