建産連 東北建設業協会連合会と意見交換
 〜 災害時の対応について意見聴取 〜
平成24年11月29日〜12月1日

意見交換会の様子

右から協会連合会の大槻専務理事、
宮建協の伊藤専務理事、同じく遠藤副会長
 県建設産業団体連合会(下地米蔵会長)は11月29日から3日間の日程で、東北建設業協会連合会(佐藤博俊会長・宮城県建設業協会長)との意見交換会を含む「東北視察研修」を実施し、協会の上原恵子副会長をはじめ、12名が参加した。
 初日の東北建設業協会連合会との意見交換会では、上原副会長が冒頭、「島嶼県の沖縄県は、ひとたび大災害が発生すると孤立する。自らの活動で窮地を切り抜ける必要があり、貴会の取り組みを参考にしたい」と挨拶し、意見交換会を防災対策に役立てたいとした。
 東北建設業協会連合会を代表して、大槻良子専務理事から挨拶があり、「今年を復興元年と位置づけ、当会と東北地方整備局で協定を締結した。現在でも各県の建設業協会が実働部隊としての役割を担い頑張っている」と述べ、各県建設業協会が連携をしながら、最前線で作業に当っていると説明があった。
 続いて、東日本大震災発生後の状況報告があり、宮建協では発生後4日で自衛隊と共に啓開活動を開始したが、国からの費用の支払いが半年近くも遅れたことや、災害発生による混乱の中で、支部と本部との連絡が円滑に取れなかったことなどが報告された。
 同協会の伊藤専務理事は、「協会本部と支部の情報伝達手段の確保は極めて重要」と指摘し、衛星電話の設置や、災害時でも複数の相手に情報を一斉送信できる、電子メールのメーリングリストなどが有効との助言を受けた。
 また、沖建協側からの質問に対して、啓開作業中に建設業者の事故が発生しなかったことや、現場と本部とが、作業状況を確認し合うために、ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)を活用してデータを共有すること、被災しない場所に機材を確保することなどが有効とした。
 また、今回は津波による被害が大半を占めたため、瓦礫や汚泥の撤去中に多くの遺体が発見され、その処理作業も発生した。そのため、作業員が精神的ダメージから離職するケースも発生したとして、PTSDに対するケアが必要との指摘を受けた。
 2日目は、被災地と復興地区を視察し、巨大津波の威力を目の当たりにした。視察に参加した源河総務部長は、「建産連で視察したことで、業界全体で連携し、防災体制を強化することが必要との共通の認識をもった。すでに重機の確保・保管について関連団体と協議する方向で一致している」と語り、建産連各団体との連携を強化して、防災対策に努める方針を示した。



建設業者の作業によりほとんどのがれきが撤去されていた

多くの生徒が犠牲になった大川小学校を視察

コンクリート柱をもなぎ倒した大津波の破壊力

かろうじて残ったコンクリートの躯体



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