労働安全を中心とした講習会を開催
 〜 フィギュアを使用してKY演習を実施 〜
平成23年11月11日

労働災害防止策を学んだ(円内は高木講師)

グループに分かれてのKY演習

 全国建設業協会との共催による「労働安全を中心とした講習会」を11月11日、建労センターで開催した。
建設業における労働災害は減少を続けており、50年間で実に80%以上も減少している。しかし、全産業に占める割合は3割と依然として高く、墜落・転落災害による死亡者は後を絶たない。年末年始には、工事が集中し、労働災害の多発が危惧され災害防止対策の一層の取り組みが必要となる。
 今回の講習会は、座学での労働災害防止対策と、フィギュアを使ったリスクKY演習を行い、災害防止について多方面から学んだ。座学は、(独)労働安全衛生総合研究所の高木元也氏が講師を務め、@頻発労働災害の防止とヒューマンエラー、A統括管理体制と役割、B安全施工サイクル活動の3点について解説した。
 その中で、中小建設業者の多くが労働災害の発生に対して「たまたま運が悪かった」と、偶発的な発生であると判断する傾向があり、高木講師は「同様の労働災害が短期間に全国的に発生しているにも関わらず、こういった当事者意識の低さにより、未然に事故防止へとつなげられない」と中小建設業者の課題を指摘した。
 また、労働災害に大きく関与する『ヒューマンエラー』について、@無知A危険軽視B不注意C連絡不足D集団欠陥E近道・省略行動本能F場面行動本能GパニックH錯覚I中高年の心身機能低下J疲労等K短調作業による意識低下−等の12の原因を挙げた。そして、リスクを除去・低減するためには、「作業手順書の作成や作業者教育の実施、危険予知活動を行い、危険軽視による違反をなくすことが重要」とアドバイスした。
 フィギュアを使用したKY演習では、参加者54名が6グループに分かれて演習・発表を行った。各グループで、危険予知トレーニングシートとフィギュアを使用し、それぞれが作業を想定しながら、作業員や重機などのフィギュアを配置。実際の作業現場を再現することで、危険予知活動のイメージトレーニングが出来る。参加者からは、「実際の現場を客観的に再現することが出来るので事故防止に有効だ」などの感想が寄せられ、現場の労働災害防止に役立つ内容となった。




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