在沖米軍発注工事入札・契約手続きに関する第2回研修会の開催
  〜 専門学生を交え翻訳作業を指南 
平成22年11月4日

講義する比嘉弘契約官

挨拶する林補佐官

グループでの作業風景

 本協会は、在沖米軍発注工事入札・契約手続きに関する第2回目の研修会を11月4日に建労センターで実施しました。本研修会は、多くの会員が新規事業として検討しながら、手続きの違いや、言葉の問題により実現に至ることができない米軍発注工事の受注を促進するため、那覇米国総領事館と嘉手納基地空軍の支援を受けて、継続的に企画しているものです。 
 前回に引き続き、嘉手納基地空軍契約事務所の比嘉弘契約官を講師にお招きして、2部構成で行いました。まず、参加者全員が自己紹介し、参加に至る経緯などを説明、参加者の一人は「自治体主催の同じ(比嘉契約官による)研修会に参加した経験があり、入札を試みようとしたが断念した。今回の研修会で更なる知識向上を図り、次こそ入札したい」と意気込みを述べていました。
 次に、開発を支援した那覇米国総領事館の林明徳経済商務担当補佐官は「当事者が公開の場で勉強会をするのは数少ない機会です。是非、手順や書類の書き方などの知識を身につけてください」と参加者を激励されました。
 研修会前半は米軍発注工事の契約の概要や入札への参加方法など前回研修会の復習(本会報誌10月号に一部詳述)、基本的な要件を再確認した。
 後半は、実際の工事契約書(全て英文)を教材として、実践的な契約実務を行い、那覇日経ビジネス工学院国際英米学科の学生ら24名も翻訳のサポート役として参加。受講者と学生を交えた6グループで行われ、講師から出される課題に協力して取り組みました。
 契約に際し、Solicitation(申請書)のセクションを明確に見つけ、内容をおさえることが大事で、申請番号FA5270が嘉手納の入札番号であり、A=入札番号・発注者など工事概要についての基本的情報をまとめた表、B=作業内容・品番・数量、その他仕様書や規則・基準がアルファベットによって示されていることが解説されました。
 比嘉契約官は、「申請書の内容を明確に理解できればポイントが掴める。申請書類は意外と単純な構造になっているので、英語というだけで尻込みしないで取り組んで欲しい」とアドバイス。また、本土の基地の工事を受注した業者を例として挙げ、間違えて落札した場合は契約不履行のリスクも伴うと注意喚起しました。
 参加者は、不慣れな様式や建設用語の翻訳に苦戦しながらも、業界関係者と学生との連携により、質問にも積極的に答える姿が見受けられました。研修に参加した学生の一人は、「実践的な経験で有意義でした。これからの就職活動につなげたいです」と感想を述べていた。本研修を受けられた会員企業においては、高い語学力を持つ県内の優秀な人材を確保すれば、米軍発注工事を新たな事業展開としてつなげられ、就職を目前にしている学生には、建設業界にも高度な英語能力を発揮する機会もあり、就職先としての「建設業」を体験してもらうことができました。
 最後に、比嘉契約官は「研修会会場では皆さんの質問にもお答えできますが、入札が始まれば一切コメントする立場にありません。是非この場を地元企業の皆さんに有効に活用していただきたい」と語り、実務者からアドバイスを受けられる数少ない場であることを重ねて強調されました。
 本協会では、米軍工事受注に向けた取組みとして、今後も同研修会を開催していく方針ですので、積極的に参加頂きたい。



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